大きく3つの印刷方式があります
印刷とは一言でいうと「刷ること」です。つまり平台や輪転といった印刷機を稼働させることですね。もっと広い意味でいうと「組版から製本までの工程を稼働・管理して、印刷物を納品すること」になりますが、そんなに難しく考えずに、ただ「刷ること」と思っていればいいと思います。
印刷にもいろいろな方式があります。例えば包装食品では商品名などが印刷されていますが、これらはグラビア印刷という方式で印刷されています。また新聞や出版ではオフセット印刷というものが多いです。段ボール印刷では水性インキを使用したフレキソ印刷が多いのですが、マイナーな印刷方式なのでここでは説明していません。
印刷方式は大きく分けると「活版印刷」「グラビア印刷」「オフセット印刷」があります。それぞれの特徴をみてみましょう。
活版印刷
活版印刷は歴史ある最も古典的な印刷方式です。「活字」と呼ばれる鉛で出来た文字を一文字ずつ拾って組み合わせて、出っ張っている部分にインクを付けて、紙にインキを転写します。「活字」という言葉がありますが、元々の語源はここからきています。文字を指す言葉ではなくて、活版印刷に用いるもとになる、文字の彫られた印刷の材料の事なんですね。印字する時、紙に圧力がかかるので、独自の凹凸ができます。人によっては「活版印刷」のことを「凸版印刷」と呼ぶ場合もあります。
グラビア印刷
活版印刷では出っ張っている部分にインクを付ける方法ですが、このグラビア印刷では反対に、くぼんでいる版面にインクを入れるようにします。適当な方法で版全体にインキを付けて、表面をドクターと呼ばれる装置で拭き取りながら余分なインキを取り除きます。美しいカラーが再現できるので美術書や写真集などによく利用されています。「グラビアページ」や「グラビアアイドル」と呼ばれる由来は、この印刷方式からきているんですね。